更年期障害はもっと奥深い

更年期障害は性ホルモン(女性ホルモン、男性ホルモン)が減少する①身体的要因、人生の節目と重なる②環境的要因、性格的にストレスを受けやすい③精神的要因など、いくつかの要因が重なって発症するため大変個人差があります。
女性の更年期と言えば40代後半の女性に発汗やホットフラッシュ、気分にむらがある等いくつの症状か見られると『更年期じゃないか?』とまず疑われますが、それらはエストロゲン欠乏による急性期の症状で、ある一定の期間が過ぎると症状は軽快します。
とはいっても更年期に辛い思いをしている方々は沢山いらっしゃいます。
その時期をどう乗り切るかについては後述します。
一方、自覚症状としては現れにくいですが、更年期の晩発症状として40代後半頃から徐々にメタボリックシンドローム、エストロゲン低下による動脈硬化症、骨粗鬆症(女性)などの慢性疾患が出現します。
緩やかな進行で症状がないために気が付きにくいのですが、老年期を元気に過ごすために定期的な検診は欠かさないで頂きたいです。
最近、男性更年期にも注目が集まっていますが、メタボリックシンドローム⇔男性更年期(テストステロンの低下)は内科医として大変興味深いです。
メタボ男性のテストステロンはそうでない男性に比べて優位に低いという報告と一方でテストステロンを補充すると代謝異常が是正されるという報告があり、つまりどちらが先なのか(原因がどちらか)は分からないが互いに何らかの関与があるという事です。
男性更年期障害の増加は概念の普及、社会的ストレスの増加、そしてメタボ男性が増えているためでしょうか。

岩田 晶子