せっかく禁煙に成功しても、、、

禁煙のメリットは肺がん、肺気腫のリスクを減らす事、狭心症のリスクの一つにもなっているので狭心症の回避にもつながります。
禁煙のメリットは周知の事ですが、禁煙後の肥満、メタボリックシンドロームへの移行リスクは禁煙することで逆に増えているという文献obesity(2011;19(3):647-651)を読みました。
禁煙前のデータでは喫煙者は非喫煙者よりも痩せていて、皮下脂肪が少ない(内蔵脂肪は同等)そうです。
禁煙直後、HDL-c(善玉コレステロール)が急上昇(ここまではGOOD!)。
ところが禁煙4年後には内蔵脂肪が急激に増えその後は皮下脂肪型に以降し15年以上経過すると内臓脂肪/皮下脂肪比は非喫煙者と同等になっているという報告でした。
脂肪分布の変化が興味深く、禁煙による内臓脂肪の増加というデメリットは禁煙を推奨する医師も頭のどこかに置いておくべきだと思いました。
しかし15年後に非喫煙者と内臓脂肪/皮下脂肪比が同等になるというグラフからは「禁煙をする」と健康意識に目覚めた集団であれば一時的に体重が増加してもその後ダイエットによってまた健康を取り戻そうとしているのではないかと私は読み取りました。
禁煙後3Kg〜4Kg程度の増加は問題ないと言われていますが、8Kg〜10Kgの増加は注意が必要です。
禁煙によるストレスを過食に向かわないように周囲の協力と単に禁煙ではなく本当の意味で健康になるという本人の強い決意が必要ですね。
 
禁煙を決意すると同時に体重の変化には敏感になるべし。

岩田 晶子