ピロリ菌感染症検査について

中学生を対象にピロリ菌の感染検査を導入する自治体が増えてきているという記事が日経新聞の夕刊に掲載されていました。
北海道、秋田県・山形・茨城県・大阪府・兵庫県・岡山県の一部の市町村の中学1〜2年生がすでに対象となっていて佐賀県では全中学3年生に検査と除菌の費用も負担してくれるという手厚さだそうです。
胃癌による死亡率は昔よりは低下していますが、2014年のデータでも肺癌・大腸癌についで3位と高率です。
今ではほとんどの胃癌はピロリ菌感染症によることが明らかになってきました。
現在は60歳以上の国民の約50%がピロリ菌感染者であるという状況ですが、中学生の時点で全ての子供がピロリ菌感染症の検査が受けられて早期に治療を行えば将来胃癌の患者さんはかなり減少するはずです。
全国の自治体で助成により検査を受けられるシステムが広まることを希望しますが、自費でもそれ程高額な検査ではありませんので特にご家族内でピロリ菌感染者がいる場合には早い段階(小学生高学年くらいから)での検査をお勧め致します。

岩田晶子