一過性脳虚血発作は、脳梗塞の一歩手前の状態です。
できるだけ早く原因診断を行い治療しないと、いつ脳梗塞にならないとも限りません。
動脈硬化が原因の場合は、血小板が貼り付いて血栓をつくるのを抑える、抗血小板薬が使われます。
もっとも古くから使われているのはアスピリンで、痛み止めに使う量の三分の一程度の少量を毎日飲めば有効です。
バファリン81やバイアスピリンといった製剤がよく使われています。
最近ではチクロピジン(市販名:パナルジン等)、クロピドグレル(市販名:プラビックス)、シロスタゾール(市販名:プレタール等)も使用されるようになりました。
頸動脈の動脈硬化が高度で、血管が極度に狭くなっているような場合には、その部分を広げる手術を行うこともあります。
この場合の手術にも、血管の内側の動脈硬化部分を取り去ってしまう血栓内膜剥離術という方法と、血管の中にステントという金属を差し込んで狭くなったところを内側から広げる方法があります。
また、動脈硬化以外の脳血管の病気に対しても、脳外科手術による治療が第一選択になることが多いので、脳外科医の意見を聞く必要があります。
岩田 誠