女性更年期障害の検査と治療

当クリニックではまず更年期問診票での評価とホルモン測定を行い、更にその症状が他の疾患から起きているものではないときちんと否定できた場合に更年期障害と診断致します。
検査の結果、更年期障害ではない場合も実際に1〜2割ほどあります。
エストロゲン量も十分にあり、問診上もどうも別の疾患ではないかと甲状腺ホルモンを測定すると甲状腺機能亢進症であったというケースや、更年期による頭重感、頭痛というよりは偏頭痛そのものであるケースなどです。
更年期の主な症状として『のぼせ、ほてり、発汗』などの自律神経失調症状と『抑うつ気分、不眠』精神神経症状の2つが挙げられます。
症状によって治療法の選択も変わってきますが、当クリニックで行っている治療は以下の5つです。

薬物療法としては


ホルモン補充療法が約80%の改善率を有し効果としては高いのですが、乳がんのリスクの上昇、血栓症を起こしやすいなど副作用があります。


漢方は効果にはやや時間がかかりますが、安全性が高く一定の効果は望めます。


精神神経症状が強く出ている場合には抗うつ剤の併用も時に必要となります。
服用の抵抗感を持つ方も多いのですが、うつの期間の長期化、症状の悪化が見られる場合には服用が望ましいです。


プラセンタ注射が更年期障害に効果を示すしくみについては、動物実験などから、ホルモンバランスを整える「内分泌調整作用」や自律神経のバランスを整える「自律神経調整作用」などによることが明らかにされており、ご希望に応じています。

非薬物療法として⑤カウンセリングです。
現在の苦しみをお話頂く事でご自身で問題点を発見して解決法を見つけ出されることもありますし、何より治療を選択していく上で欠かせません。
更年期障害の治療法は確立したものはなく医師が婦人科医か内科医であるかによっても選択する治療法は異なっているのが現状です。
最終的には患者さんご自身の考え方に治療はゆだねられている気も致します。

岩田 晶子