癌・脳梗塞・心筋梗塞・糖尿病等はマスコミや雑誌新聞でも良く取り上げる疾患で、どのような病気なのかどんなサインがあったら危険なのか等の知識を多くの人が持っていると思います。
一方で腎不全については直接の死因にあまり結びつかないためか認知が遅れていると私は感じています。
日本ではとても検診システムが発達していて小学校時代から尿検査を繰り返されているため、IgA腎症の早期発見、治療が効を奏し腎不全の原因としては減少傾向です。
しかし最近では糖尿病患者さんの増加、肥満・メタボ・加齢に起因する腎不全の増加で腎不全患者さんの総数は年々増加しています。
透析にならないまでも腎機能の低下は心疾患・脳血管系疾患を悪化させ他の臓器に密接に関わってくることを知っていて欲しいです。
検診で血尿や蛋白尿を指摘されたら、放置せずまずは再検査して下さい。
膀胱炎や感冒など体調の悪い時に血尿や蛋白尿がでることもありますが、健常な時の特に蛋白尿は要注意です。
自覚症状としては尿が泡立つ・むくみが出る等も重要ですが、ともあれ検診で指摘されたならば、次の検診までの1年間放置せず医療機関を受診して下さい。
腎不全予防には・・・
1.どのような原疾患でも肥満は大敵ですのでまずは体重コントロール
2.そして血圧の厳密なコントロールです。BP130/80mmHg未満にコントロールしたいです。
3.糖尿病の患者さんは血糖コントロールが最も重要です。
4.御高齢の方は脱水にも注意が必要です。
5.最後に市販薬(鎮痛剤など)の乱用にも注意!
です。
岩田 晶子