活性酸素の発生を招く原因として周辺の環境や喫煙、ストレス、栄養などが考えられますが、鉄分も忘れてはなりません。
鉄分が体内に過剰にあると、触媒のような役割を果たし、活性酸素が体内にできるのを促進します。
鉄分の過剰摂取は肝臓や筋肉・すい臓などに蓄積されて臓器の細胞に障害を与え、糖尿病や動脈硬化の進行を早めて心筋梗塞を起こすとも言われています。
フィンランドの研究では、献血にたびたび協力する中年男性では献血によって体内の鉄分が減り、心筋梗塞の危険が低下しているという報告もあります。
臨床の場でもC型肝炎の患者さんには除鉄食と言って極力鉄の含まれない食事を摂ってもらい肝臓への負荷をなくす治療は実際に行っています。
食事について触れますと鉄分は食品によって種類が異なり、体内吸収率に差があります。
動物性食品に含まれる『ヘム鉄』では吸収率が15〜25%と高いのですが、野菜や穀物に含まれる非ヘム鉄は2〜5%にとどまります。
従って肉類、特に赤身の肉を多く摂りすぎると過剰になりやすいです。
『なんとなく貧血っぽいな』という思い込みで、安易に鉄剤を摂取することなく、是非ともきちんと調べて下さい。
女性が男性より長生きなのは、男性に比べて体内の鉄分が少ないこともその一因という説もあります。
私はそれを知って以来、忙しい日の昼食として『SoyJoy(大塚製薬)』を時々食べますが、Fe(鉄)と書かれた物には手を出さなくなりました!
岩田 晶子